しじみの生態

 日本に生息するしじみは「ヤマトシジミ」「セタシジミ」「マシジミ」の三種類です。一般に市場に出回っているしじみの99%以上は「ヤマトシジミ」で、河口付近の砂地や汽水域の湖に生息しています。「セタシジミ」は琵琶湖のみに生息しておりますが、環境の悪化と乱獲により、現在では年間200t以下の漁獲量となってしまいました。また、「マシジミ」は従来、水田地帯の小川などに生息していたのですが、有機肥料から化学肥料への転化による環境悪化や、除草剤などの農薬の使用、河川改修などによりほぼ姿を消してしまいました。

 昭和40年代は「しじみは獲っても獲っても湧いて出てくる」といわれる程の漁獲がありましたが、やはり乱獲や自然環境の変化により減少しているのです。

 現在、漁獲されているヤマトシジミも最盛期の半分程度の漁獲高となってしまっており、様々な資源保護方法が検討、実施されているのが現状です。

シジミチョウ

 蝶の仲間に「○○○シジミ」という名前の蝶がいますが、それらはやはり「しじみ貝」由来で付けられた名前なんです。

 これらの蝶は羽を開いた状態がしじみ貝を開いた時のそれに似ていることから「○○○シジミ」っていう名前が付けられました。このような形態と蝶の小さく可愛らしい様から、「○○○シジミ」になりました。

 私が子供の頃は、結構普通に「ベニシジミ」が良く見られたのですが、そういえば最近はなかなかお目にかかれない感じがします。食べる「しじみ」も最近はめっきり水揚げが減少し、貴重な水産物になっています。この「シジミチョウ」と「しじみ貝」、形だけではなく、取り巻く環境もなんか似てきているのがちょっとばかし寂しい気がします。私たちはこのような自然を大切にしていかなければなりませんね!!